|
ナイト2000(KNIGHT 2000)はK.I.T.T.という高性能人工知能を搭載したドリーム・カー。ナイト2000を指すのは車の部分であり、K.I.T.T.ではない。この二者(ナイト2000とK.I.T.T)は混同して考えられがちだが、実は違う点に注意が必要である。 外観は黒で統一されたポンティアック製ファイヤーバードのトップグレードにあたるトランザム。日本では単に「トランザム」という名前で有名。日本語吹替版ではかつてのマイケル・ロング刑事の愛車を改造したものとされている(「俺の車に何か細工したのか?」というマイケルの問いに、デボンは「元の車と似ているのは外見だけだ、中身は全く別物さ。」と答えている)が、 原語版ではマイケル・ロングのトランザムとナイト2000は別の車両であることがデボンの台詞で示されている。 第1シーズン第8話「激闘!善と悪2台のナイト2000」ではナイト2000のプロトタイプK.A.R.R.(カール)が登場している。K.A.R.R.はK.I.T.T.のプロトタイプという意味合いではなく、あくまでも「ドリーム・カー・ナイト2000」のプロトタイプである。 ナイト2000のボディは一般的な車両と違い、新開発の特殊セラミックに分子結合殻を組み込んだもので、その構造上黒い車体色(ただし、第3シーズン第13話「ナイト2000魔の毒液に溶ける!決死の再生・立ち直れキット!!」では白い車体に黒の塗料(分子結合殻?)を塗装しているシーンがある)となっている。この分子結合殻は普通の鉄板を装甲車以上の強靱な装甲に変えてしまうため、銃はもちろんロケットやレーザーを用いても破壊は困難。基本がファイヤーバードなので後輪駆動。最高速度はノーマルモード時で時速322マイル(約520キロメートル)、最高速度を40%向上させるスーパー追跡モード時は時速450マイル(約720キロメートル)となる。トランスミッションは8段フルオートマチックトランスミッション。 燃料についてはエンジンが“完全無公害”とされる必要から「水素」とされており、特別なエンジンを使用するレース大会で水素燃料を使用すると紹介された。が、第1シーズンで一度だけ、ガソリンスタンドで給油する貴重なカットがある。「決して安いガソリンを入れないで下さい。あなただっていい物食べてるでしょ?」とK.I.T.T.が暗にハイオクと思われる燃料の補給を要求していたり、第3シーズンの第9話「恐怖の高電圧・消えたナイト2000」では、爆弾を盗み出した2人組がニトロ噴射でマイケルの追跡から逃れようとした際に、マイケル自身が「ハイオクの加速を見せてやる(字幕表記)」と言った台詞がある(日本語吹き替えでは「奴らにこっちの加速を見せてやろう」になっていた)。燃料についてはただ一度、エンジンを液体水素用に載せ替えたというエピソードがあるのみ。このことからも解るように、ナイト2000の燃料が水素であるということは、はっきりと明記されていない。 (しかしこれはあくまでフィクションであり、現実の水素燃料の問題として、毒性のある過酸化水素が排気ガスとして放出されることにご留意いただきたい) K.I.T.T.とは、正式名称“ナイト・インダストリー2000”英文字表記でKnight Industries Two Thousand。それぞれの頭文字でキットと呼ぶ。日本では一部のゲームブックでK.I.T.T.の正式呼称を「Knight Industry Total Think System 2000」と表記していたが、これは誤りであり公式ではない。 既販の映像メディア「ザ・ベスト・オブ・ナイトライダー」およびコンプリートDVDボックス・シーズン1に収録のパイロット版「電子頭脳スーパーカー誕生」では、K.I.T.T.を演じたウィリアム・ダニエルズが、劇中において「喋る車に慄くマイケル」に対し、自身をI am the voice of Knight Industry Two Thousand's microprocessor. K-I-T-T for easy reference "K.I.T.T." if you prefer(私はナイト2000に搭載されているコンピュータの声です。K.I.T.T.と呼んでください。キットでも結構。:日本語吹き替え版のセリフ). と自己紹介した。 K.I.T.T.についての詳細は別項を参照の事。 放映開始当初は、ナイト2000とK.I.T.T.を混同して考えられていたが、放映が進むにつれて両者はそれぞれ独立したものであるという描写となった。第2シーズン第8話「盗まれたナイト2000 知能戦! 天才マイコン少年VSキット」では、ナイト2000の車部分のみが盗まれK.I.T.T.は外されて放置されるという事態となり、K.I.T.T.はポータブルテレビに組み込まれた形の「仮の姿」で登場している。また、盗まれたナイト2000は遠隔操作で操縦されていることから、K.I.T.T.とナイト2000の機能はそれぞれが独立して稼働していることが伺える。第4シーズン第1話(ビデオ版のタイトルは「激突! 装甲戦車」、日本で『ナイトライダー』の最終回として前後編に分けて放映された際のタイトルは、「無敵装甲車ジャガーノート大激突! 破壊編/大勝負! 再生編」)では、劇中ジャガーノートの奇襲によって大破したK.I.T.T.とナイト2000の修理を引き受けることとなったボニーの台詞から、「車体が“ナイト2000”で、人工知能が“K.I.T.T.”である」と言うことが明確になった。またこのエピソードでも、再生過程においてポータブルテレビに組み込まれたK.I.T.T.が登場している。さらに第4シーズン第6話「復活ナイト2000! 大改造パワー全開!!」では潜入捜査の為に外装を特殊樹脂で覆い、クラシックカーに擬装した事もある。なおその際、待機電力の確保の為に車体からプラグを伸ばし電気泥棒まがいの事も行っている。 また、アメリカ本土ではナイトライダーの放映が始まるまで「黒」は不吉の象徴とされ、個人が「黒塗りの車」を所有する事などはアメリカ国民の通念になかったが、ナイトライダー放映開始と同時に黒のファイヤーバードが爆発的に売れ出し、「黒=不吉の象徴」という概念をも払拭させた。第3世代ファイヤーバードの宣伝のために作られたとされるナイトライダーだったが、あまりの売れ行きの過熱ぶりに「ポンティアックのロゴをエンドロールから消してくれ」と車両を提供していたGMサイドからナイトライダー製作陣へ直接要請があったほどである。日本国内においても、ファイヤーバードやナイト2000のデザインが、その後のスポーツカーに強いインパクトを与え、現在でも多くのナイト2000レプリカオーナーが存在するほどの人気を博した。また、日本での本放映時には、ナイト2000のベースである第3世代ファイヤーバード・トランザムのCMが流れていた(当時日本国内の正規販売ディーラーはヤナセで、番組スポンサーのうちの1社だった)。 ちなみに、第2シーズンまでのナイト2000を指す台詞回しが「原語:New black Trans-Am(吹替:黒のトランザム)」だったのに対し、第3シーズン後半から第4シーズンにかけては「原語:Black T-top(吹替:黒のスポーツカー)」と改められている。これは当時、ナイト2000と同じ外観のトランザムを求めてポンティアックのディーラーに来店する客がかなりおり、ポンティアックが製作側に劇中での呼称を変えるようにと要請したためである。 詳細はこちら 詳細はこちら 詳細はこちら 海外ドラマガイド |
||||||||||||||||||||||||||||||||||